目次
1.サニーレタスの特徴

綺麗な濃い赤色
1)形と色
『サニーレタス』という呼び名は実は商品名で、品種名は『リーフレタス(キク科)』で、結球しない玉レタス(キク科)と区別されます。
リーフレタスは葉の先が細かく縮れていますが、サニーレタスは更に葉の先が濃い赤紫をしているのが特徴です。
2)種類
サニーレタスを含め、リーフレタスの種類は他に、サンチュ・サラダ菜・ロメインレタス・エンダイブなどがあります。
そのほかフリルレタス、ブーケレタス、ベビーレタスなどもリーフレタスの事で、水耕栽培に向いています。
3)玉レタスとの違い
⑴栽培期間が早い
結球レタスに比べて、栽培期間が短く、低温下でも旺盛に育ち、株張りが良い栽培しやすいレタスです。
玉レタスは苗の植え付けてから収穫まで50~60日くらいかかりますが、リーフレタスは植え付けから30~40日程度です。
⑵摘み取り収穫ができる
玉レタスは、結球後に株採り収穫をしますが、リーフレタスは植え付けから30日程度で、外則(下)の葉から必要な分だけを摘み取る事ができます。
新しい葉がどんどんできるので、時期をずらしながら種まきし、こまめに摘み取っていけばかなり長く栽培を楽しめます。
4)お勧めの品種
品種改良により、赤色の発色が良い物、尻腐れしにくいと言われているのは、『レッドウェーブ』や『レッドファイヤー』です。
基本的にリーフレタスは発芽率が良く、半日陰で十分育ちますので、室内やプランターでも快適に栽培できますが、栽培環境が適切でないと、成長はするものの発色しないことがあります。
【家庭菜園】秋の種まき失敗知らず ~サニーレタスが発色しない?~
3.栽培の注意点
⑴生育温度(適温)
リーフレタスの生育適温は15~23℃です。
これは一般に冷涼な環境と言えます。
生育温度は実は光合成に直結し、特に徒長するかしないかという大事な要素になります。
光が足りなければすぐに徒長してしまい、光合成ができず、貧弱な葉になるというのは、想像しやすいと思います。

初期の光不足により徒長
ところが、光合成は温度によっても依存しますので、過不足により光合成の速度が低下し、強すぎる光、高すぎる温度も結果的に成長を妨げてしまいます。
⑵昼間の高温は夜の低温を補う
私の経験上、秋栽培も9~10月頃は、強い直射日光の当たる場所よりもレースのカーテン越しにしてあげたほうが成長は良かったです。
窓辺は思う以上に温度が上がります。
その為夏場の窓辺の栽培は注意が必要になるのですが、冬場はこれが功を奏します。
どういう事かと言うと、植物の光周性によると『昼間の高温は夜の低温を打ち消す』といって、日中に高温に当たっていれば夜間の低温がチャラになるという性質のお陰で、成長を維持できるという事です。
リーフレタスは8度以下の低温では成長が止まると言われています。
そのため冬場の栽培は向いていないと言われているのですが、室内の窓辺では、12月でも日中の気温20度以上になる事もあるので、このことが夜間低温になっても、栽培を可能にしてくれます。
リーフレタスなど、半陰生植物は、室内栽培なら12月を過ぎても葉が瑞々しく茂ることができるのですね。
リーフレタスの徒長しやすい温度は25℃以上と言われていますので、室内ならエアコンを利用するなどして気温の調整をします。
⑶高温とトウ立ち
6月下旬になると25℃を超えるようになります。
7月に入ると平均して24℃~27℃になり、時に30℃を超える日もみられるようになりますので、トウ立ちに気をつけます。
リーフレタスは、残念ながらトウ立ちするとあまり美味しくありません。
ただ、敢えてトウ立ちさせていただく野菜もあります。
それがアブラナ科の、ナバナ、ハクサイ、コマツナです。
ナバナはいわゆる食用の菜の花で、つぼみを頂く野菜である事はご存知の方も多いかと思います。
ただ、ハクサイやコマツナもトウ立ち菜として美味しくいただく事ができるので、是非花が咲く前のつぼみをあえて収穫してみてくださいね。
⑷連作障害
リーフレタスは基本的に連作障害を起こしやすい野菜です。
特に、「苗立枯れ病」「腐敗病」「根腐れ病」「斑点細菌病」などが発症しやすくなります。
そのため、栽培後には2年間は同じレタスを植えない方が良いでしょう(輪作年限)。
4.栽培スケジュール
1)種まきの時期と発芽率
- 発芽適温:15~20℃前後
- 発芽日数:2~4日
- 生育適温:18~23℃
- 栽培期間:30~40日
- 収穫期間:春まき:3月下~7月中 秋まき:9月上~11月中(室内:翌1月下)
- 発芽 率:85%(以上)
2)栽培カレンダー
⑴土づくり
①畑の場合:元肥多めに、石灰必ず!
種まきの2週間くらい前までには、石灰を施し、よく耕すようにします。
酸性の土壌を嫌う場合、苦土石灰は多めに撒いてよく馴染ませておきます。
1週間前になったら、堆肥と元肥となる化成肥料を混ぜ、よく耕して畝を作っておき、よく馴染ませておきます。
リーフレタスは、細い根を浅く張りますので土は十分耕します。畝幅70㎝位、高さ10㎝位が適切です。
※1)一般的には作業しやすいのは、畝の高さは高さ20~30㎝、畝間20~30cm、畝幅50㎝以上の様です。
※2)畑には、1㎡あたり堆肥2.0㎏、苦土石灰100g、化成肥料70gを施すのが一般的です。
初めての家庭菜園~露地栽培・プランター栽培・水耕栽培の特徴~
水耕栽培と土壌栽培 肥料の種類と与え方・土づくりの基本とは?
②プランターの場合
プランターサイズは小型(20cm~40cm)または、標準タイプ(60cm~65cm)がお勧めです。
リーフレタスは、細い根を土の中で浅く張ります。
品種にもよりますが、標準サイズのプランター1つに対して、10株程度の栽培が可能
培養土を使うと手間がかかりません。
⑵種まき
1条まき、または2条播きします。条間は30㎝位です。
※プランターや範囲が広くないならポット播きもお勧め。
では、種まきはすじまきし、本葉3枚になる頃一本立ちにし、最終株間を10~20㎝程度とります。
⑶間引き・追肥
春巻きでは栽培期間が短いので、元肥を多めに撒いて、最終間引きの時に、追肥を行います。
秋播きでは、栽培期間が長いので追肥を適宜行います。
一般的には1か月ごと。
⑷収穫方法
※水耕栽培での成長記録はこちらから。発芽の様子も記事にしていますので、何かの参考になれば幸いです。
5.病害虫
サニーレタスは病害虫の少ない作物ですが、アブラムシ、オオタバコガ、ハスモンヨトウなどがつくことがあります。
生育初期に葉を食害されると生育が著しく悪くなるので、防虫ネットでトンネルがけをした方が安心です。