【家庭菜園】秋の種まき失敗知らず~そら豆の育て方:越冬前~

はじめに

そら豆は割と良く育つのでつい放任してしまうのですが、その結果は色々と残念な事になるようです。

私が初めて栽培をしたのは、そこそこの日当たりのベランダでの水耕栽培でした。

ほぼ放任で栽培し3月頃少しのさやが出来初め、4月には形にはなりましたので安心していたら、5~6月頃大量のアブラムシに襲われ撤去しました。

出来たソラマメを一応観察したところ、さやには豆が一つだったり、小さい豆が2~3個だったり・・・そもそもさやは5個もなかったと記憶しています。

今回は、もう少し手間をかけて栽培をしていますので、その栽培記録をご紹介します。

1.ソラマメの種類とお勧め

秋まき野菜

一般に流通しているのは『一寸そら豆』と呼ばれるもので、一つのさやに2~4粒が入った最大粒の品種です。

一寸そら豆より小さいものは『早生そら豆』と言い、多収ですが、収穫後の味落ちが早く、美味しいのは3日だけと言われています。

このほか、香川県産の豆が5~6粒入ったさやの長いタイプ『さぬき長莢』や実が赤い物もあるそうです。

秋まき野菜

赤いソラマメ

家庭菜園の栽培に向いているのは『一寸そら豆』だそうです。

ただソラマメは基本的に味落ちが早いので、収穫後は早めに食べる方が良さそうですね。

2.そらまめ栽培の目標

秋に種を撒き、翌年の5月に収穫を迎えるソラマメは、じっくり栽培できる野菜の一つです。

日当たりの良い場所を好み、上手に育てると5月の収穫期には一つの株から40~60個ものさやがとれると言われています。

ですが、栽培過程で手間を省くと『徒長』は勿論、『つるボケ』や『実が小さい』とか『数が少ない』『空さや』になるなど問題は多発します。

この問題が起きる栽培過程がどのポイントなのかを押さえて、ご紹介し、私もまた大きな株作りに挑戦していきます。

3.ソラマメ栽培の特徴

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1)種と植え方

⑴見た目の大きさと色

そら豆の特徴は、まずはその種ではないかと思います。

2017年に初めて見たときには種が青かったのですが、2回目となる今年の種は緑色でした。

これはコーティング剤によるもので、その理由は、病気に弱いソラマメを種の時から守る為だそうです。

秋まき野菜

コーティング剤が手に付着

このコーティング剤は直に持つと肌に付着しますが、ハンドソープで容易に落ちます。

敏感肌の方はビニール手袋などを使用するのが良いでしょう。

普通植物の種はとても小さいのですが、ソラマメは普段食卓に並ぶ豆と同じものなので、初めてみる方は、その大きさに驚くかもしれませんね。

⑵種の植え方

そらまめの種には『おはぐろ』と呼ばれる部位があります。これは、豆が熟した状態に見られるもので、若い豆では黒くありません。

若いソラマメの実

秋まき野菜

おはぐろ

このおはぐろの部分を斜め下に向けて、上部1/3程を見えるようにポットまきをします。

このような撒き方をするのはソラマメ独特ではないかと思います。

秋まき

2021.10月28日 スポンジ培地で播種

2)25℃以上で徒長を誘発

植物の徒長は一般に光が足りないと起こるものと思っていましたが、ソラマメとレタスは、生育過程で高温条件・長日条件で徒長します。

高温条件は、レタスで30℃以上、ソラマメでは25℃以上です。

そら豆が25℃以上で徒長するのは、より冷涼な環境を好むからです。

なので、栽培温度は20℃前後を目指します。

発芽も早く、ぐんぐん育つので栽培自体がとても楽しいと思いますが、油断をするとすぐに徒長しますし、越冬前にあまり大きくしてしまうと冬に耐えられない弱い苗になります

秋まき野菜

11/6 播種後9日目

秋まき野菜

11月12日 播種後15日目

脅威の成長ですが、徒長気味のような…

3)根粒菌が共生

マメ科の植物の根には根粒菌が共存し、空気中の窒素を固定して栄養を作り出しているそうです。

そのため、マメ科の栽培では窒素過多にならないよう施肥をしなければなりません。

ソラマメに限らず植物は窒素過多により「つるボケ」を誘発し枝ばかりが育ってしまうので注意します。

私のような水耕栽培では、根粒菌を与えない限り、根粒菌は存在しません。

4.栽培前に知っておくべきこと

1)栽培方法で収穫量は決まる

植物は、同じ環境下にあっても育つ器によって結果は大きく異なります。

最も育ちが良いのは畑で、プランター、水耕栽培、室内と続きます。

選び方の基準はご自身の栽培環境によるかと思いますが、可能であるなら栽培したい野菜の大きさ(草丈)や収穫量で決めると良いと思います。

ソラマメのように根粒菌によって栄養を自生している植物の場合、また、草丈が大きくなる場合には、畑、もしくは大きくて深いプランターを用いての耕栽培が向いているかと思います。

2)越冬前に苗を大きくし過ぎない

植付時期は11月初旬までです。

ソラマメを大きく育てる為には、小さい状態で越冬させなければなりませんので、定植時期をしっかり守りましょう。

理想の草丈は15~20㎝です。

一年に一度の収穫で、越冬させる野菜は他にも一季なりのイチゴがあります。

イチゴ(一季なり)の栽培スケジュールを見る。

3.栽培スケジュール

秋まき野菜

ソラマメ栽培の条件
  • 発芽適温:15~25℃前後
  • 発芽日数:6~7日
  • 生育適温:16~20℃
  • 栽培期間:7~8か月
  • 収穫期間:翌4~6月
  • 発芽 率:75%(以上)

※上記以外の種の性質はこちらから

種まきの前に確認しておくと良い性質の一覧表です。野菜の名前をカタカナでご入力ください。編集中の為一部の情報ですが、参考になれば幸いです。
野菜の名前種子性質発芽適温℃
発芽日数生育適温℃栽培期間光照度
ソラマメ15~25
6~7日16~2010月まき~
翌4~6月収穫
陽 生
イネ30~35

5~7日30~35陽 生
シソ好光性20~30
4~7日20~3080~90日陰 生
ミツバ好光性20
4~7日15~2030日陰 生
ニラ嫌光性20前後10~14日20~2590日陰 生
ホウレンソウ15~20
5~7日15~2030~60日半陰生
チンゲンサイ15~35
3~4日15~2030日程度半陰生
タカナ・カラシナ15~20
3~5日15~2060~90日半陰生
コマツナ20~30
3~4日5~35春30~4日
秋50~80日
半陰生
ミズナ20~30
3~5日15~2525日~半陰生
シュンギク 春菊好光性10~20
5~7日15~2040~50日半陰生
リーフレタス好光性15~20
2~4日15~2060日半陰生
レタス・リーフレタス好光性15~20
2~4日15~20苗50~60日半陰生
サトイモ栄養繁殖25~35
30日程度25~304月植付~11月半陰生
ショウガ栄養生殖25~30
30~60日20~304月植付~10月半陰生
パセリ好光性15~20
14~20日15~2070日半陰生
ジャガイモ嫌光性栄養生殖
15~30日15~242月まき~
6月収穫
半陰生
イチゴ🍓好光性20~257~1418~25240~270日半陰生
エンドウ半陰生
ニンニク栄養繁殖25~27
植付から1か月28~2010月植付~翌5月半陰生
ネギ嫌光性15~30
7~10日15~2050~60日半陰生
(芽)キャベツ好光性15~30
3~5日15~20苗 90日陽 生
カブ好光性15~20
2~7日15~20小・中40~60日
大60~90日
陽 生
カリフラワー15~30
2~3日18~2030~35日
陽 生
ダイコン嫌光性15~35
2~4日15~20秋60~90日
夏50~60日
陽 生
ハクサイ20
3~5日15~2060日陽 生
ブロッコリー🥦好光性25
4~6日
3~5日15~20早生種120日~
晩生種145日~
陽 生
ラディッシュ嫌光性・15~25
2~4日15~2530日前後陽 生
トウモロコシ25~30
7~10日20~3090日
陽 生
カボチャ嫌光性20~25
3~5日20~254月まき~7月頃陽 生
キュウリ嫌光性25~30
4~7日18~2560日程度陽 生
ゴーヤ嫌光性25~30
7~10日20~304月まき
真夏から9月
陽 生
スイカ嫌光性25~30
30日程度25~30大玉45~50日
小玉35~40日
陽 生
トウガン嫌光性35
10日程度25~30陽 生
メロン嫌光性30~35
3~4日25~303月まき~
45~55日
陽 生
ゴボウ好光性20~25
10~14日20~25春150日陽 生
サンチュ好光性15~20
2~4日60日~陽 生
セロリ好光性15~20
7~10日15~20種まき150~180日
陽 生
ニンジン好光性15~25
14~20日16~20100~120日陽 生
ナス🍆嫌光性20~25

3~5日22~30180日~300日
植付後2か月
陽 生
トウガラシ🌶嫌光性30~35
5~7日25~302月まき~
6~11月収穫
陽 生
トマト🍅嫌光性15~27
3~6日21~262か月程度陽 生
ピーマン嫌光性30~35
5~7日25~303月まき5月定植
9~10月収穫
陽 生
サツマイモ栄養繁殖25~35
40~45日22~30110~150日陽 生
エダマメ25~30
4~6日28~2870~80日陽 生
オクラ18~25
3~5日25~3070日陽 生
タマネギ嫌光性18
7日程度15~209月まき~翌6月陽 生

1)畑・土の準備

⑴畑に定植する場合

マメ科の植物は連作を嫌います。最低でも3~4年間は開けた土壌での栽培が良いでしょう。

植付の三週間前に堆肥を、2週間前に苦土石灰を入れて耕します。種を撒く1週間前に元肥を入れ、株間40~50㎝を確保して畝を立てます。

⑵畑に直播にする場合

ハトやカラスが豆を食べてしまうので、播種後には不織布をべた掛けすると良いそうです。

⑶プランター栽培の場合

野菜用の培養土で栽培します。

2株を植えるならプランターサイズは少なくとも65㎝以上を準備します。

プランターサイズ

一株栽培なら鉢型も可能です。

・直径:30cm程度
・深さ:26cm程度

2)施肥について

肥料は畑づくりの時に一回と、収穫が始まる前の4月に1回だけ追肥を行います。

土壌では窒素過多に注意。

3)種まき

⑴おはぐろの向きと発芽状態

おはぐろを斜め下に向けてポットに一粒ずつ入れます。

秋まき野菜

11月6日 播種後9日目 水耕栽培で。

ポットの隙間が細すぎるので一旦根を取り出して、ポットに穴をあけて植え直しました。

このわずか3日後の根の状態が下の写真です。

秋まき野菜

11月9日 播種後12日目

疑問:おはぐろを下に向けないとどうなる?

水耕栽培の場合なので、土耕栽培にも当てはまるかはわかりませんが、少なくとも、下に向かって根が伸びる事が出来る環境でなければ発芽は遅くなるようです。

通常ソラマメの発芽日数は、7日前後ですが、種の置き方で発芽にずいぶん差がありました。

今回種を3個用意しました。

まずは2個を、スポンジ培地に通常の撒き方(種袋の指示通り)で撒いて、栽培ポットに一個ずつセットしました。

秋まき

↑2021.10月28日 播種日 スポンジ培地

そしてもう一個は、トレーに横置きにしました。

↑11月1日 播種後3日目 トレーに横置き

ポット撒きの物は早くも発根しましたが、もしかしたら水分過多かも知れません。

秋まき

↑11月2日 ポットまき 播種後5日目

秋まき野菜

↑11月6日ポットまき 播種後9日

大きな白い根が特徴的。

一方トレーに置いたものは、播種後9日頃に芽が出ていました。こちらは水分が少ないかもしれません。

ソラマメ

↑11月2日 トレーまき播種後5日目

秋まき

↑11月2日 トレーまき おはぐろ部

↑11月3日

秋まき野菜

↑11月6日 トレーまき 播種後9日目

秋まき

11月15日 発芽と脱皮

上の写真から見ると、発芽はおはぐろの部分を残して脱皮するように外皮がむけていくようです。

注意)画像は種を横置きにして栽培したものなので本来の芽の出方とは異なりかなり横から出ています。

⑵水やりの注意点

ポット撒きと横置きではずいぶん差がありますが、実はソラマメは乾燥気味にした方が良いので、この時点ではどちらが良いのかまだ区別が出来ていません。

秋まき野菜

↑11月12日 播種後15日目

秋まき野菜

↑11月12日 播種後15日目

ここがポイント!水のあげすぎに注意

夜間に水が多いと徒長しやすくなるので、水やりは朝行います。

発芽後、温かい場所で管理します。ソラマメは基本的に乾燥気味に栽培する方が良いそうです。

11月15日 外皮がふやけて脱皮して発芽

4)定植(植付)

本葉2~3枚の頃、株間は40~50㎝で畑に植え付けます。

春先から大きくなるようにするには、11月初旬までに株間はしっかりとって植え付けると良いそうです。

ここがポイント!越冬は草丈15~20㎝が理想

低温に当たる事で花芽をつけるソラマメは、種まきの時期、定植の時期が重要です。

大きすぎても小さすぎても耐寒性を欠いてしまうので、生育適温16~20℃は守りましょう。

秋まき

11月15日 草丈10㎝程度

5)整枝・芽かき

枝が分かれてきたら成長の良い枝5~7本残して他は摘み取ります。

また、脇芽も出てくるので見つけたら摘み取るようにして、栄養が実に集中するようにします。

6)土寄せ

旺盛に育つので放任していると重さで倒れてしまいます。そのため株元にしっかり土寄せをしておきます。

7)追肥

追肥は、基本的には収穫前の4月頃に一度行いますが、葉の状態を見て、色落ちなどがあれば追肥を施します。

ここがポイント!窒素分が多いと葉色は濃くなり、つるボケに。

一般に窒素が多いと葉色は濃くなり、葉先は丸まり、枝ばかりが旺盛になる『つるボケ』を引き起こします。

不足をすると色は薄くなります。

8)支柱

春になり大きくなってきたら成長に合わせて株を囲うように支柱を立て、テープやひもで倒伏を防ぎます。

9)摘芯

草丈は70~80㎝まで育てるのが理想です。適宜摘芯をして背丈を揃えます。

4.害虫対策

アブラムシ・ネキリムシ・モザイク病(アブラムシが媒介)・斑点病など。

以前、ベランダ栽培をしたときは害虫対策を一切しなかったのでアブラムシの被害に遭い大変でした。

今回は、きちんと行うつもりなので経過を追記していけたらと思います。

おわりに

最後までありがとうございました。現在栽培中の為参考にならない部分もあるかと思いますが、私の失敗や記録がお役に立てれば幸いです。

次回は、越冬後の様子をまとめられたらと思っていますので、よろしくお願いいたします。

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