目次
1.栽培の特徴
1)比較的暑さに強い
チンゲンサイはアブラナ科の植物なので、発芽が良く、暑さにも比較的強いので、春播きと秋播きの両方ができます。
2)栽培期間が短い
種まきから収穫まで30日程度ど比較的短いのですが、低温に触れると花芽分化し、春先にトウ立ちしやすくなるので、トウ立ち前に収穫するようにします。
ただアブラナ科はトウ立ち野菜としても美味しくいただけますので最後まで栽培を楽しめます。
2.栽培前に知っておくべきこと
1)栽培方法と選ぶ基準
植物は、同じ環境下にあっても育つ器によって結果は異なります。
チンゲンサイは最も育ちが良いのは畑で、プランター、室内の水耕栽培と続きます。
⑴畑が向いている人
土地や日当たりが確保できるのであれば、畑での栽培は株を大きく育てることができます。 肥料のまき方や連作障害、病害虫ついての知識は必要になるかと思います。
連作障害とは?対策は?連作してもいい野菜との違いは何? 初めての家庭菜園~苦土石灰って何?使った方が良いの?
⑵プランター栽培が向いている人
病害虫の対策が可能な方ならプランター栽培でも十分大きなチンゲンサイを育てることができます。
チンゲンサイはアブラナ科なので対策はきちんとしておかないと害虫被害に遭いますので注意が必要です。
また害虫やカビなどの病気は土を介して発生しますので、プランターや鉢植えを室内栽培する際には要注意です。
⑶水耕栽培が向いている人
土いじりや外での作業が苦手な方、また栽培する品種や数が少なくても十分という方は、水耕栽培または室内栽培が向いています。
特に、害虫が苦手という方にはお勧めです。
小型のプランターや鉢植えの場合と異なり、水耕栽培では、容器内のお水を定期的に全取り換えしますので、害虫はつきませんし、うどん粉病などのカビもほとんど発生しません。
液肥交換は概ね1~2週間が目安になります。
⑷苗にするか種まきにするか
季節になるとホームセンターで様々な苗を購入できます。
家庭菜園ではしっかりした苗づくりが重要になりますので、初めて栽培するなら苗の購入がお勧めです。
水耕栽培の場合には、種まき後も発芽の観察をしながら育苗できますが、水を多く扱うので徒長苗になりやすくなります。
2)栽培条件
どのような器で栽培をしたとしても栽培条件の確保は最低限しなければなりません。
特に外せない条件は採光と、株間です。
⑴光照度と光合成
チンゲンサイは半日陰を好む半陰生植物に分類されますが、実際のところ半日陰では軟弱になり、比較的日光のよく当たる場所で旺盛に育ち、チンゲンサイに独特の丸みを帯びた株に成長します。
半陰生植物というと他にはサニーレタスや、シュンギク、小カブなどがありますが、光飽和点が40000~55000ルクス低く、4~6時間程度の日光やカーテン越しの光でも十分大きく育ちます。
一方チンゲンサイは、光飽和点が8500ルクスと高いので同じ半陰生植物でもより強い光が必要となります。
光飽和点と光補償点とは
光合成速度に関する光の強さで、植物が効率よく光合成をおこなう事ができる光の強さがこの2点間になります。
- 光飽和点とは、これ以上の強さの光を与えても光合成速度は鈍くなる(効率が下がる)という限界の値
- 光補償点とは、これ以下の光ではもはや光合成速度は停止するという限界点
⑵定植と間引き
最終的な株間は、間引きによって決まります。
大きく育てる為には一定の時期までに間引きをしてあげなければなりません。
その為にも重要なのが、定植作業です。 定植時期を外す事のデメリットもそうですが、間引き自体は大抵2~3回で終わるので、最終的な株間の位置を見越して定植する必要があります。
では、詳しい栽培スケジュールを見ていきます。
3.栽培スケジュール
1)種まきの時期と発芽率
- 発芽適温:15~35℃前後
- 発芽日数:3~4日
- 生育適温:15~20℃前後
- 栽培日数:30~40日程度
- 栽培期間:3月初~12月初
- 発芽 率:85%(以上)
2)栽培カレンダー
⑴土耕栽培の場合
春巻きは、桜の咲くころから、秋播きはやや遅めにまきます。
畑は2週間前から準備します。
畝の表面を均し、堆肥を1㎡あたり2.5Kg、苦土石灰100g、化成肥料80gを施しておきます。
土を十分に湿らせ、幅30㎝に薄く種を条まきし、覆土をかけて軽く鎮圧します。
⑵水耕栽培の場合
種まきトレーで管理するなら
スポンジ培地に切れ込みを入れて、十分に水を含ませてから種を2~3粒置きます。

切れ込みの両端に種を置きます
スポンジが乾燥しないように適宜、霧吹き等で水を与えながら、一晩は暗所において、翌日は明るい場所で管理します。

コストコのチョコレート容器は蓋つきで便利

牛乳パックで手作りしても〇

播種後2~3日で初根します。

播種後4日目

播種後6日目
成長したら育苗ポットにセットして液肥で栽培を行います。
下の写真はラディッシュですが、こちらも同じアブラナ科です。
根が2㎝以上になったら育苗ポットに移し容器栽培をします。

ポット移植の目安は根が2㎝くらい

スリットから根が出るように移植 写真は小カブ
チンゲンサイ栽培に使用したポットの大きさは直径5㎝でしたが、よく育ちました。
水耕栽培の種まきの方法はこちらの記事をご参照ください。
【水耕栽培】スポンジ種まきから容器への移植まで~育苗ポットの利便性~
3)間引きと追肥
⑴間引きは2~3回
土耕栽培では成長に合わせて間引きはを行います。
本葉が1~2枚の頃、1度目の間引きをします。
徒長したものや双葉が欠けているものなどを取り除き、葉が重ならないように株間を3㎝にします。
本葉4~5枚の頃に最終株間が10~15㎝くらいになるようにします。
⑵最終間引きの後に追肥
3回目の(最終)間引きのあとに追肥を施し、株元に土寄せをします。
4)収穫
草丈10~15㎝くらいになったら間引きを兼ねて大きなものから収穫します。
栽培を継続すると20~25㎝の大株獲りとして収穫できます。

22年1月8日 播種から2か月

DSC_0522

根の状態
4.病害虫被害
水菜はアブラナ科なので、害虫被害に遭いやすい植物です。
苦手な方は対策を。
- カブラハバチ
- コナガ:カブに限らず発生
- アオムシ:アブラナ科全般
- アブラムシ:植物全般
- ヨトウムシ:トマトやナスなど多くの植物
- キスジノミハムシ
- うどん粉病:植物全般
5.育苗ポットについて
移植型の容器を自作する場合にお勧めしたいポットをご紹介します。
ホームセンターを方々回りましたが、通販でしか購入できませんでした。
育苗ポットには、直径10㎝の大ポット、直径5㎝の中ポット、直径3.5㎝の小ポットがあります。
1)5㎝の中ポット
チンゲンサイ、水菜、ラディッシュ、リーフレタス、小松菜や小カブなど幅広く使えて便利です。
10個入りと30個入りがありますが、栽培が楽しくなると30個でも足りなくなるくらいなので、割安な30個をはじめから購入した方がお得です。
10個入りはホワイトもありますが、水耕栽培では光の当たるところで藻が発生しますので、白容器は藻が生えて見栄えが良くありませんでした。
藻が気になる方は黒がお勧めです。
発芽したスポンジ培地は、根がポットのスリットから出るようにセットします。ハイドロボールを下に3~4個入れるとスポンジが安定します。

5㎝ポットは扱いが便利

ラディッシュ

サニーレタス 2株
【家庭菜園】秋の種まき失敗知らず ~サニーレタスが発色しない?~

小カブ
2)3㎝ポット

8セットくらい一度に栽培も可能
低価格ながらスポンジがセットされていますし、30個入りなのでお得なのでお勧めです。
ミズナ、シュンギク、ナバナ、三つ葉などが適しています。
リーフレタスやチンゲンサイなども栽培はできますが、株を大きく育てたい場合にはこのポットではやや小さいかと思いました。
ラディッシュは、容器が壊れていました。

3㎝ポットでは小さすぎたラディッシュ

シュンギク
【家庭菜園】秋の種まき失敗知らず ~シュンギクの種まきのコツ~

12月6日 ミズナ

12月30日 ナバナ
3)10 cm 大ポット
大きな株を栽培するときに使用します。
ミニ大根の紅くるり、ソラマメ、ミニニンジンなどを栽培しています。
今回紹介した容器へのセットでは、3~4ポットくらいしか出来ないので、株を増やそうとすると場所がとられてしまうかもしれません。
それが苦でない方に向いています。

紅くるりの収穫

大型容器 ミニトマト ナスの苗

大きい苗ははソラマメ、小さいのはミニニンジン
今回は以上になります。
最後まで御覧くださりありがとうございました。