目次
5~6月はうどんこ病の発動期
葉の表面が白く粉をふくうどんこ病、嫌ですね。

7月中旬 進行した症状
その原因はカビによるものです。
日当たりを良くしても、葉の密集を避けても、5~6月にほとんどの植物に発生する病気で長期間にわたり増殖を続けます。
このうどんこ病の発生によって問題となるのは、葉で行われる光合成が妨げられる事で、植物の育成が不良となり美味しい野菜や果実の収穫が出来なくなるという事です。
一般にうどんこ病は、植物に特有の病気とされ、人体にその影響はないと言われています。
とは言え、被害が甚大な場合にはその実を口にするのは躊躇されるかもしれません。
なのでその前に対処できればそれに越したことはありません。
発生初期には重曹スプレーやお酢スプレーで対処できると言います。
今回はその作り方と効果、また、初期とはどの程度までを言うのか、そして重度に進行した場合の状態や対処についてご紹介しています。
重曹スプレーの作り方
重曹と水で作ります。
その比率は1:1000なので1gの重曹なら1000g(㎖)の水で作ります。
ここで注意することは、500倍では濃度が高いということです。
濃度が高いと、時に葉が黒ずむなどのダメージが現れるそうなので1000倍で作ります。
食用と掃除用 使用するなら食用が安全
重曹には食用と掃除用があります。
食用は和菓子を作る際、よく生地を膨らます為に使用し、掃除用は洗濯槽のカビ取りや家庭内の拭き掃除等に広く用いられます。
この二つは明確に区別されています。
食用は食品性製法に準じて安全に管理された状態で製造されていますが、掃除用は汚れが落ちるように添加物を加えられ、不純物が含まれているそうです。
その為掃除用の重曹を食用にする事は出来ませんが、食用を掃除用に使う事はよくあります。
野菜に散布するのは食用が安全です。
酢スプレーの作り方
水:お酢を1:20で作ります。
こちらのお酢も食用酢で作ります。
効果的な使い方
予防目的で使用を開始するなら
発生前の5月初旬から
うどんこ病はほとんどすべての植物に発生する一方で、同時にかかるわけではないようです。
私の経験からでは、茄子で5月の中旬から、ミニトマトはそれより遅く6月上~中旬ごろから白い粉を吹き始めました。
当初は、風通しを良くするために十分に株間をとったり、葉の間引きもしていましたがほぼ効果を感じる事はできませんでした。
必ず発生してしまう事を念頭に置いた方が良いでしょう。
発生が見られると被害は拡大する一方なので、予防的使用をおすすめします。
散布する時間と散布の程度や頻度
葉の両面に朝又は夕方に散布
朝又は夕方の涼しい時に両面に対し行います。
葉の両面に水滴がしたたる位にしっかりかけます。
連日散布は少し放置し乾いたら散布
予防目的又はごくごく初期であるなら散布後1週間前後の間隔を開けて散布します。
ここで言うごく初期とは、葉に白い斑点があるなあ、と気が付いた時です。

DSC_0754

室内栽培でこの一ヵ所のみ発生
上の写真は種まきから室内栽培をしていたミニトマト(レジナ)の株です。
7月初旬に下の方の葉の一部に発生してしまいました。
この部分に散布したところ・・・

散布後
ごく初期の発生では1回散布しただけでその部分の葉が乾燥し、白かった部分は茶色になり以後再発はしませんでした。
この株は症状が軽かったのでこの後は、1週間に1回全体的に散布し再発予防を心がけました。
既に発生した葉に吹きかける場合
重曹スプレーやお酢スプレーの最も効果的な使い方は、初期発生時の症状が比較的軽い場合と言われています。
ですが、中程度に進行した被害も抑える事が出来ました。
作ったスプレーは、病気の発生した葉の両面に吹きかけます。
葉一面に複数回散布します。
水滴がしたたる程度までしっかり散布てしまいましょう。

7月4日 ミニトマト(レジナ)
この株は進行が進み下の方の葉がどんどんもげていき、上部の葉が残っていました。
手遅れかと処分も考えましたが、実がついていたので一応重曹スプレーを散布していきました。

7月11日 散布後 レジナ
病気の進行は防ぐことができました。
驚くほどその効果はあったと思います。

8月1日 下の写真は左側の株を側面から撮影
繁殖時期の被害拡大
うどんこ病が発生し始めるのは、気候が乾燥しつつある5月中旬から湿度を持ち始める梅雨入りで、乾燥と湿気を繰り返すこの時期は特に活発になります。
厄介なのは、ここから長期間にわたって繁殖し続ける事です。
ただ真夏の暑い時期に一旦は収束したかのようになりますが、気温が下がり始めた9月頃に再燃します。
油断をしないでこの時期にもスプレーをするようにしましょう。
散布した結果のまとめ
今回ミニトマトのレジナという品種に重曹スプレーを使用しましたが、思った以上に効果があり、本当に驚きました。
かなり進行した状態でも症状を食い止めることができましたので、今後はぜひ予防として使用していきたいと思っています。
進行により葉が少なくなってしまったミニトマトでしたが、その後症状が悪化することもなく、実も赤くなってきました。
うどんこ病は予防が容易なので今後は早めに行いたいと思いました。