【手作りパン】中種法・ポーリッシュ法・オーバーナイト法の違いとは

1.パン作り製法の種類

パン作りにはいくつか製法があり、家庭で作られる代表的なものは、ストレート法、中種法、ポーリッシュ法、オーバーナイト法、湯種法です。

それぞれの特徴を知る事で向いてるパンを作ることが出来ます。

湯種法の作り方については『湯種パンとは ~中種や発酵種との違いって?もっちりどっしり~』をご参照下さい。

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1)家庭で作るパン作りはストレート法が一般的

パン作りというと、生地の捏ね上げから焼成までを通しで行うものをイメージします。

一般に生地の捏ねを一度で完結する製法を『ストレート法』と呼び、家庭で作るパン作りのレシピの多くはこの製法に基づいています。

ですがパン作りでは、作りたい種類のパンにより製法を替える事でより美味しいパンを楽しむ事が出来ます。

例えばストレート法なら、朝から始めれば昼頃には出来上がりますので、焼きたてパンを食べたい時に最適です。

ですが、翌日には固くなると言われていますので、翌日や翌々日に食べるにはやや不向きかもしれません。

一方で、翌日や翌々日に食べたいというのであれば、ストレート法ではなく違うお勧めの製法があります。

ただ、どの製法においても美味しいパン作りに欠かせないのは、捏ね方と発酵の2点に尽きます。

各製法もこの2点が最も大きく異なる点になりますので、コツさえ押さえれば上手に焼く事が出来ます。

その事を踏まえ、今回はその特徴と各作り方をご紹介いたします。

2)各種製法の種類と特徴

一般にパン作りの工程は、⑴生地の捏ね上げ(ミキシング) ⑵一次発酵 ⑶分割 ⑷ベンチタイム ⑸成形 ⑹二次発酵 ⑺焼成 になります。

ですが、製法によりこの工程が若干異なっていきます。

⑴ストレート(ST)法

生地の捏ね上げを一度に行う製法です。

一般的なレシピでの作り方はこれで、ミキシングから焼成まで通しで行います。

⑵中種法

発酵種を作って生地の捏ね上げを2回に分けて行う製法です。

中種(発酵種)は小麦粉の一部を取り分け種にする小麦粉の分量により50%、70%、100%中種パンと呼びます。お勧めなのは70%中種です。

上記工程⑴で、中種を作る分手間が増える事になります。

他方湯種法とは、取り分けた一部の強力粉を熱湯でこね冷蔵庫で寝かせて作る低温発酵製法です。

⑶ポーリッシュ(PL)法

発酵種を作って生地の捏ね上げを2回に分けて行う製法です。

発酵種は小麦粉20~40%で作りますが、お勧めは30%です。

工程⑴で中種を作る分手間が増えます。中種法との違いは、発酵種の小麦粉量の割合と、その小麦粉量に対する水分比です。

⑷オーバーナイト(ON)法

作業工程を2回に分けて行う製法で長時間低温発酵とも言います。

捏ね上げた生地を発酵(一次発酵)させてから12~48時間冷蔵発酵させます。

上記工程⑵までを前日に行い、翌日工程⑶から続きをします。

⑸オートリーズ法

ミキシングの前に酵母を入れず、小麦粉と水を合せて水和を促す方法を言います。

一般的にフランスパンを作る際の工程の一部として用いられ、捏ねずに、小麦粉と水分を混ぜ合わせ常温で30分置いて水和をさせて行きます。

2.発酵種の作り方~強力粉の分量と水分比~

中種法にしろポーリッシュ法にしろ発酵種は小麦粉に水とイーストを加えて作りますが、全量を入れるのではなく、作りたいパンのレシピの分量から一定の割合を用いて作ります。

中種法とポーリッシュ法の大きな違いは発酵種にする小麦粉の分量と、水分比率です。

中種法では、全体の小麦粉の50~70%の小麦粉で中種(発酵種)を作り、この際に加える水分は、種にする小麦粉に対して50~70%の水です。

一方ポーリッシュ法では全体の小麦粉の20~40%で発酵種を作り、この際に加える水分は、種にする小麦粉に対して100%から2倍の水です。

これらの製法で250gの強力粉でパンを作る場合、発酵種を作るには以下のようになります。

1)中種法で作る場合

⑴例)250gの強力粉で70%の発酵種を作る

  • 強力粉175g(250×0.7)+水108.5㎖(175×0.62)+イースト1.5g(250×0.06)

中種法では、発酵種の小麦粉量に対して50~65%の水を使用します。水分が少ないので生地はやや硬めに感じます。

2)ポーリッシュ法で作る場合

例)250gの強力粉で30%の発酵種を作る

  • 強力粉75g(250×0.3)+水75ℊ(75×1)+イースト1.0g(0.4%)

ポーリッシュ法では発酵種の小麦粉量に対して100%の水を使用しますので水分が多い分生地はベタベタした感じになります。

中種法、ボーリッシュ法を用いる事で手作りパンは一層美味しくなりますが、実はパンの種類によりどの製法が向いているのかが分かれています。

以下に特徴をまとめてみました。

3.各種製法の特徴まとめ

1)製法の特徴

ST・PL・ON違い

2)仕上がりの特徴

ST PL  PN

4.ベーカーズパーセント(BP)とは 

パンの各材料の割合(%)は、粉を基準にして表されています。

大抵カッコ内の数値で記載されています。

これを用いると、規定のレシピの分量によらずに各材料の量を求める事が出来ます。

下のレシピを元に、300gで食パンを作るのであれば、強力粉300gを100%とし、各材料のカッコ内の数値から分量を求めます。例えば水の量は…

水=300×78%=300×0.78=234㎖ と言った具合です。

5.各製法で食パンを焼く場合の材料と分量

250gの食パンを焼く場合

※ 湯種法については『湯種パンとは ~中種や発酵種との違いって?もっちりどっしり~』記事で詳細を説明しています。作り方はこちらの記事をご参照下さい。

【注意2】※1~4について

  • ※1 湯種法では水ではなく熱湯を使用します。
  • ※2 PL法の発酵種(黄色の部分)では粉:水=1:1です
  • ※3 PL法水のBPは20~40%です

湯種パン

記事のまとめ
パン作りを成功させるには捏ね方と発酵について知っておくのが近道【手ごねパン】 失敗の原因と成功のコツは捏ね方と発酵にあり
【手ごねパン】始める前に知っておきたい事 ~発酵とは~ 
パン作りの練習をするなら食パンが向いています。
捏ね方をマスター出来たら後は練習あるのみ。ポイントを押さえて。
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