
目次
特徴・性質
ラディッシュ(はつか大根)はアブラナ科で、小型大根の極早生種です。根の直径は2㎝程です。
品種によって根の形状や色はさまざまで、ふつう春・秋なら30~40日、夏なら25日、冬でも50~80日で収穫できます。
一年中栽培することができますが、真夏だけは病虫害をうけやすく、品質もよくないので、耐暑性品種以外は避けた方がいいかもしれません。
収穫後冷蔵庫で保存する場合は、葉を切り落としておきます。
栽培スケジュール

この地域はおおむね関東地方から中国・四国地方にあたります。
1.土づくりと播種
⑴畑の場合
- 苦土石灰:酸性土壌を嫌う為、必ず苦土石灰を散布して良く耕してから栽培を行います。一般的には1㎡に100g または 土1kgに1.5g 散布します。
- 畝の全面に、1平方メートルあたり1kgの完熟堆肥と60gほどの有機配合肥料をまいて20センチくらいの深さによく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。
- 畝と直角の方向に15センチ間隔で、深さ1センチの溝をつけます。種を1センチくらいの間隔で蒔きます。
- 覆土:1センチほどです。
⑵プランターの場合
- 深さ15㎝以上の長方形を使用します。鉢底石をしき培養土を入れます。特にラディッシュの根は湿潤を嫌う為、底石を一面にしいておきます。
- 成長過程で根が上へとのびて行きますので、こまめに土寄せをする事になります。種まき時にはプランターの7分目までに土を入れるようにしましょう。
- 圧迫せず、容器をトントンと落とすようにして土をならします。
- 条播き:深さ1㎝程の溝を作り1㎝間隔で種をまきます。
- 覆土:約1㎝の覆土をし鎮圧しますが固くなりすぎないようにします。
- 十分な水やりをしますが、静かにかけ、種が流れないようにします。
- ラディッシュは日当たりの明るい場所を好みますので日当たりの良い所に置きます。
⑶防虫ネット(寒冷紗:かんれいしゃ)
- 寒さの厳しい「春採り」「冬採り」ではトンネルがけをします。
- アブラナ科は虫がつきやすいので春まきの場合は防虫対策の為にもネットをかけると良いでしょう。
- 光や水は通しますので、水やりはネットの上からかけます。
ネットがセットになっているプランターもあります。
2.間引き
- 1回目: 本葉が1枚(又は双葉が開いた)ころ、3~4センチ間隔に間引きます。間引いた後は残った苗が倒れないように土を寄せます。
- 2回目:本葉が3枚(最初の間引きから1週間後)のころ、6~7センチ間隔になるように間引きます。
- 株間が狭いと、根がうまく肥大しません(実が丸くなりません)ので最低2回、最終的に株間が6~7㎝位になるようにします。
3.追肥
- 固形肥料の場合:本葉が4枚の頃に行います。この時期に与えると収穫まで与えないで済みます。
- 液体肥料の場合:発芽後から1週間に1回行います。
手間がかからないのは固形の様ですね。
4.土寄せ
- 土壌栽培:はつか大根の実は根の赤い部分が丸くなりますが、成長が進むにつれ土から上に出てきますので土寄せをします。
5.収穫
本葉が6、7枚、根の直径が2~3cmになったものから収穫します。土の上に出た根がふくらんできたら収穫のタイミングです。

丸くならないのはどんな時?
1.種まきが浅い時
播く際の深さが足りない、覆土が浅すぎる、または水をかけた時に土が流れてしまう事も要因となりますので、種をまく際には深さは1.5㎝程度、覆土は1㎝程度にします。
発芽後芽が長く伸びてしまう場合には土寄せをします。土が少ない場合には足しておきます。
2.間引きが不十分な時
最終的に株間は6~7㎝になるように間引きをしますが、間引くタイミングが遅くなるともう丸くはなりません。
発芽が揃った時点(1回目)で混雑している処は先を見越して間引きをします。もう少し様子を見て…と言っていたら手遅れです。
3.土寄せが不十分な時
間引きを行った後には土寄せをします。苗が倒れないようにしますが、土で根元が圧迫(刺激)され丸くなる事を促す作用があります。
土に塊があったり、固い場合には形が歪むことがありますので、予め良く耕しておきます。
4.発芽後に徒長してしまったとき(日照不足)
徒長する主な原因が「光」「水分」「栄養」にある事は、以前の記事にありますので、ご興味あればそちらもご参照下さい。
5.気温が高すぎる時(30℃以上)
はつか大根の生育適温は15~20℃です。具体的には「やや涼しい~快適」と感じられる温度にあたります。種まき時期が後半になる場合には収穫日の予定を立てて逆算して種まきを実施します。
6.実が割れてしまう時
『裂根』です。収穫遅れによる場合、土壌中の水分変化が原因になりますが、収穫遅れによる育ちすぎがほとんどの様です。
収穫は実が2㎝位を目安に、早めに行うのが良いでしょう。
7.害虫が発生した時
春まきではアブラナ科は虫がつきやすいので、種まきをしたら防虫ネットなどをかける、防虫剤を使用するようにします。
病害虫対策
アブラナ科に多く見られる害虫
- アブラムシ 3~5月
- ヨトウムシ 5~7月 9~11月上旬
- ハスモンヨトウ 7~11月上旬
- ヨトウガ
害虫の多くは ⑴カメムシ目 ⑵コウチュウ(甲虫)目 ⑶チョウ目 に分けられ、中でもアブラナ科に多大な害を及ぼすのはチョウ目です。
害虫の多くは葉を摂食し、栽培初期に発生すると被害は大きくなりますので早期発見、駆除が大切です。
大型チョウ目(ヨトウムシ・ハスモンヨトウ・オオタバコガ)に効果のある薬剤
害虫の多くの種類に対応したお勧めの薬剤