栽培する前に知っておきたい事~土づくりと肥料~

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土づくりの基本 

土づくりは栽培を始める前に必要な作業で、畑に限らずプランター栽培でも行います。家庭菜園で良いと言えるためには、「保水力がありながら、通気性と排水性が優れ、適度な酸性に傾いている土」でなければなりません。そして良い土づくりをする為に目指したいのは、微生物が多く含まれた土である事を意識して自然界の循環作用を促す為の土づくりです。それがが堆肥です。

土壌酸性度

土壌には『酸度」があり、日本の土は一般に酸性に傾いています。

酸度は、酸性・アルカリ性で表現さ、酸性度をPHで表します。

※ 酸性、アルカリ性という言葉をよく耳にしますが、これは、水素イオン濃度を0~14までの数値で表したもので、水素イオン指数をPH、これを『酸性度』と言います。具体的にはPH0~7では、0に近い濃度を酸性が強いと言い、PH7付近の濃度は中性、PH7~14では14に近い濃度をアルカリ性に傾くと言います。測定は専用機器が必要になります。

土壌中のPH(酸性度)により色が変化する植物で良く知られているのは紫陽花です。紫陽花の色の変化は、酸性が強い場では青色に、アルカリ性に傾いた土壌では赤色に変化します。

野菜作りに適したPHは、野菜の種類で決まる

一般に土壌は酸性の傾向にあると言われていますが、野菜作りに適した土壌の酸性度は栽培しようとする野菜の種類によって異なります。

注意する事は、酸性が強いと野菜の値が傷み、根のリン酸吸収が落ちるという事、アルカリが強いとマグネシウムなどミネラル分の吸収が阻害され、発育が悪くなる事、病気をしやすくなる、という事です。

そのため、苦土石灰を混ぜて土壌の酸度を中和してから種まきを行います。

堆肥、元肥(もとごえ)、追肥(おいごえ)って?

土づくりをする場合、『堆肥を施す』とか『元肥を与える』などと言いますが、初めての方にはその違いは分かりにくいものです。

堆肥には植物性と動物性の区別がある 

堆肥とは、針葉樹の樹皮や落ち葉、或いは動物の糞を堆積して発酵させた物の総称で、植物に栄養を与える為の肥料とは異なり、土壌中の微生物の働きを活発にするものです。

培養土などは栽培前の土に混ぜる事で土壌をふかふかにします。よく聞く『腐葉土』は植物性由来の堆肥で、通気性や保水力に優れた素材です。

一方動物性由来の堆肥には、牛糞、馬糞、鶏糞などがあり、植物の3大栄養素を多く含むことから肥料の様にも用いられます。その為、堆肥を施した土づくりでは、後の追肥が不要と言われています。

元肥 種まきや植え付け(定植)前の土に混ぜる肥料を言います。根の初期育成を促進する為に施しますので、リン酸が多い物が適しています。

施肥 肥料の与え方を言います。元肥は、その与え方も様々で、畝(うね)全体に混ぜ込む全面施肥、野菜の真下に置く直下施肥、畝の両脇に置く側条施肥、上下二段に入れる二段施肥などがあります。栽培する野菜の種類によって異なります。

追肥 生育途中で与える事を言います。株を健全に育て実の収穫の為に行います。

肥料を与える際には、育成時期に合わせた栄養分の配合がされている事が大切です。過剰な施肥や、不適切な与え方は肥料焼けと言った症状を起こし、根が傷む原因になります。

肥料の役割と種類(分類)

肥料とは、植物体を構成していく上で必要な栄養分を、土に施すために調整された物質の事をいい、大きく分けると、緩効性がある有機質肥料、即効性がある無機質肥料とになります。

植物の3大栄養素として知られているのは ①窒素 ②リン酸 ➂カリウム で、特に多量に必要とされています。3大栄養素の他にも④~⑥までは中等量を、⑦~⑭までは微量ながら必要とされる養分もありますが、植物に必要な栄養素は全部で17種類あるといわれています。

土壌から栄養素を吸収しますので植物の成長に伴って不足するため適宜補充が必要となります。

栄養成分主な役割  不適切な場合に起こる事象
①窒素(N)葉や茎の成長を促進する不足によって下葉や古い葉が黄色くなります。過剰の場合、葉は暗緑色になり過繁茂し結実が遅れます。
➁リン酸(P)開花・結実を促進する不足すると葉の色が赤紫色に変化して生育が悪くなります。初期の育成で必要となる為元肥として施します。
➂カリウム(K) 根の発育を促す不足をすると下葉から変化し、緑葉部が枯れ込み、葉が巻き込まれる状態になります。
④カルシウム(Ca)細胞壁を丈夫にする代表的nカルシウム欠乏症には、トマトの尻腐れ、白菜の芯腐れがあります。
過剰で土壌をアルカリに傾けます。
⑤マグネシウム(Ma)葉緑素を構成し、光合成を高める不足によって新芽の生育不良、葉の黄化が見られます。
リン酸・カリウムの過剰投与によって不足状態を聞き起こす事もあります。
⑥硫黄(S)タンパク質を構成する不足により上位の葉が黄化します。
微量栄養素    ⑦銅 ⑧マンガン ⑨亜鉛 ⑩ホウ酸 ⑪モリブテン ⑫塩素 ⑬ニッケル ⑭鉄
その他⑮炭素(C)⑯水(H)⑰酸素(O)は大気や水から供給されています。

肥料の種類 ~初心者様には有機肥料~

店頭では、栄養素が様々な比率で配分された肥料が販売されています。肥料を購入するときはまずは、有機質肥料か無機質肥料かを考えます。

有機質肥料

緩効性の肥料で、効果がゆっくり現れるのが特徴で、効果は1~2か月あります。

家畜の糞や、葉っぱや野菜など支援由来を原料にしています。油粕類(窒素)や草木灰(カリ)、動物由来の魚粉類(窒素とリン酸)、骨粉質類(リン酸)、発酵鶏糞(3要素)等があります。

初心者向きと言われるのは有機質肥料です。

よく聞く腐葉土は有機肥料成分を含みますが微量であり、栄養を与えるという目的よりも、土壌環境を整える目的があり、堆肥の一つになります。

ここで注意するのは培養土とは異なる物だと言う事です。培養土は、肥料や水はけといった成分調整がされたものなのでそのまま使用する事が出来る便利な土で、他の土と混ぜたり、新たに肥料を加える必要はありません。

ぼかし肥とは

これは、米ぬかや油粕などの有機肥料を土やもみ殻に混ぜて発酵させたもの(土に肥料を混ぜてぼかした事が名の由来)で、根圏(有効)微生物の増殖により病害虫の発生を抑制します。

 

無機質肥料(化成肥料)

鉱石由来のもので、その特徴は即効性に在りますが、効果は1~2週間です。硫安・尿素(窒素)、過リン酸石灰(リン酸)、硫黄カリウム(カリ)、化成肥料(3要素混合)などです。

本来、自然界では落ち葉や動物のフンが土に落ちて、それが土壌中の微生物によって分解され、土に返ります。土に返った栄養分を植物が根から吸収する事で、成長し一連の作用が循環していくのですが、

家庭菜園では収穫や除草をする為、この循環が出来なくなってしまうのです。その為、堆肥にして施し循環出来る状態にしてあげます(堆肥については後述しています)。

つまり有機肥料を使用するという事は、この自然の循環を保つ為の作用でもあるのです。

一方無機質肥料ですが、窒素、リン酸、カリといった多量要素が多い物が中心で、即効性があり便利とは言えますが、マグネシウムや他の成分が不足がちになるので熟練した方が使用するのが良いかも知れません。

連作障害とは

同一作物(同じ科の野菜)を同じ畑で繰り返し作り続けることによって土壌や微生物間でバランスが崩れ、その為に作物が生育不良を起こし、収穫が落ちてしまうという障害の事を連作障害と言います。

連作障害の要因はいくつかありますが、最も大きな問題は、病害菌の増殖によるものです。

通常、植物は根から養分を吸収しますが、一方で養分を分泌しています。これにより根の周囲では大量の微生物が活発に活動する事が可能となるので、病害菌が侵入する事はなく、耐性を持ち根を病原菌から守っています。

ところが、作物が収穫を迎える事でこのバランスを崩してしまいます。。

微生物によって守られていた根ですが、収穫により土壌中には根が残骸として残ります。その残根に付着した病原性微生物が連作する度に蓄積、増殖し、新しく植えた植物の根を攻撃します。すると根を守っていた微生物では病原微生物の攻撃を防ぎきれずに、侵入され発病してしまうのです。

代表的な土壌障害

連作障害一覧表

連作障害対策

原因が分かれば対策を打つことは可能です。家庭菜園でのいくつかの予防策を見てみます。ただ、家庭栽培で簡単かつ有用な方法は、1-⑵土壌の入れ替え 1-⑷土壌改良材の利用 と、2-⑵接木苗の利用でしょう。

1.土壌に対する対策

⑴ 輪作をする 

一定の期間をおいて栽培する事を輪作(りんさく)と言い、一定期間の制限を輪作年限と言います。輪作年限は野菜の種類により異なりますので以下にまとめておきます。

野菜の種類と輪作年限

※⑴キュウリ⇒キュウリ ゴーヤ⇒ゴーヤという栽培でなければ栽培可

⑵ 適切な肥料の管理

作物の生育に応じた必要な施肥を行う事で、生理障害の発生を抑制しますが、土壌診断が必要になります。

⑶ 土壌の入れ替え

  • プランターや鉢植では毎回新しい土を使用すると安全です。
  • 地上の場合は、他の場所から性質の異なる土を混ぜたり、深く掘り起こすなどすると良いでしょう。

⑷ 有機物の投入

  • 緑肥作物や堆肥などの有機物を土壌に投入する事で、微生物を多くさせ病害虫の発生を抑制します。
  • また、収穫後に有機肥料を施す方法もあります。

⑸ 土壌の消毒 

  • 消毒剤を使用する場合と使用しない場合があります。
  • 太陽熱を利用した消毒方法の例 夏季の気温が高い時期にポリマルチを土壌に張り、土壌温度を上昇させて病害菌を駆除します。

⑹ 土壌改良材の利用

土壌中の栄養素・土壌微生物の崩れたバランスを野菜栽培に適した状態に改善します。

2.植物に対する対策

⑴ コンパニオンプランツの利用

コンパニオンプランツとは、違う種類の野菜を混植する事で病害虫の発生を抑制し成長を助ける役割を果たす植物のことを言います。

ただし、植物には組合せと期待できる効果があります。

⑵ 接木苗の利用

野菜の茎の根元で異なる2種類の品種をつなぎ合わせる事を『接ぎ木』と言い、地上部を「穂木」、地下部を「台木」と言います。

台木には味は良くないが病害虫に強いという植物で、穂木には味は良いのに病害虫に弱いという植物が用いられます。

台木は専用の植物を使用しますし、栽培は困難と言われていますのでホームセンターで接木苗を購入するのが確実でしょう。

元々は果物類で多く見られたようですが、現在では優れた野菜を作る為、特に良質な果菜類を栽培する為に広く行われているそうです。

注意するのは、深植えしないと言う事です。

接木苗には目印となる物が付いていますのでそれがみえるように植えます。

穂木と台木の接合部分を地面に近い位置で植えてしまうと穂木から自根が伸びて地中に入り成長を始め、接木の効果は半減してしまうからです。

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