家庭菜園~ベランダ栽培の落とし穴~ 強すぎる光は逆効果?光阻害とは

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根の異変

4月に購入したなすが一番花を付けた5月初旬、開花前に力を付けてもらおうと思い、室内で栽培していたのを少しづつ外に出す事にしました。

5月7日頃から、はじめは1~2時間から、現在ではほぼ毎日出しています。

天気の良く温かい日は、朝容器を満たしていた液肥が午後4時には半分以上減っていて、これまでの栄養失調ぶりがうかがえます。

苗を購入した4月では気温が低く、何も考えずに水耕栽培用のペットボトル容器に移してしまい、結果的に根を傷め、葉を傷め、ナスにとっては耐えがたい苦痛だたtのだろうと思います。

陽の光を浴びて回復を見せてくれたものの気になる事が在りました。根の成長が今一なのです。特に根の長さが伸びていないように思いました。

なすは、順調に育成されると、9月ごろに『根切り』をして、新たな株の成長を促し秋の収穫に備えます。なので、この時期、通常ならば根はかなり長くなっていなければいけないはずなのです。

育苗期の成長不良とは別に、今何が起きているのでしょうか。

※育苗期の成長不良については『育苗の重要性 ~老化苗になっていませんか?』をご参照下さい。

光の強さと光阻害

1.光合成とは

私のブログでは度々光合成という言葉が登場しますが、光合成が温度と二酸化炭素に依存する事も、『水耕栽培失敗例 なすの花の色が薄い時の対処法は?もう手遅れ?結実は?』でお話しいたしました。

植物は光合成により、二酸化炭素と水から有機化合物(糖)を合成します。

この反応は、光を必要とする明反応と光を必要としない暗反応という二つの経路からなります。

※この様にある物質を取り入れて違う物質に作りかえる事を広く『反応』と言います。

明反応とは 植物は、葉から吸収した二酸化炭素と、根から吸収した水を太陽の光を用いて光合成を行いこの反応によってブドウ糖などの炭水化物に作りかえ、酸素を発生させています。この一連の過程が明反応です。

植物にとって重要なのは、酸素を発生させる事ではなく、炭水化物を自ら合成する事で栄養として消費し、幹や根、葉っぱを大きくしていく事にあります。

酸素の発生は酸化反応で作られた副産物になり、葉の裏の気孔から放出されます。

暗反応とは 一方、暗反応では光を必要とせず明反応で合成されたエネルギー(ATP)を利用して二酸化炭素から糖類を合成します。これを炭素固定反応と言い、カルビン・ベンソン回路で行われています。

この過程は植物の呼吸の過程であり、葉だけでなく根や茎からも呼吸し、酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出しているのです。

時間当たりの光合成量を光合成速度と言いますが、光に当たれば合成量が増えると言う事はなく、温度と二酸化炭素に依存します。 

光合成速度は温度が30℃で最大となり、それ以上になると急激に低下します。ただし弱光下では光合成速度は一定を保ちますが、30℃を超えた場合に低下して行きます。

二酸化炭素による場合、濃度が高いほど速度は高くなります。

2.光阻害と光合成速度の低下

光合成量は、具体的には、快晴であれば日の出と共に増加し、午前中にピークを迎え、午後には落ち込んでいきます。ころが、夏の午後の強すぎる日差しでは光合成の効率が低下するばかりでなく、葉やけの原因にもなるのです。

これが光阻害によるものです。

光阻害とは

光合成を行う組織は葉の葉緑体ですが、葉緑体には更に小器官が存在しています。

葉緑体での光エネルギー消費を上回る過剰の光エネルギーが供給されると、強光下で生成される反応性の高い毒素(酸化物質等)によって葉緑体成分が損傷を受け酸化・損傷を受けるのです。

ところが植物は、単に強光下にある時だけにこのような状態を示すわけではなく環境ストレスによっても光阻害反応を引き起こします

乾燥や高塩分土壌で気孔の開閉が制限されたり、低温によってカルビンベンソン回路の酵素が阻害されても、葉緑体の光エネルギーの消費能力が低下し、光過剰状態をもたらします。

また陰性植物では最大光合成速度が低い為、陽性植物と同じ強度の光を当てても光過剰になるのです。

植物の活動は光合成のみでなく、呼吸も行っています。

呼吸は光の有無に関係なくずっと行われていて気孔から酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出しています。

気温が高い午後の日差しは土を乾燥させ、上昇した土の温度は夜間になっても上がりにくく、植物の呼吸量が増える為体力を消耗させてしまうのです。

光の強度と光飽和点

この光合成において光の強度は反応速度に関係し、弱いと反応が進みませんが、ある程度の強度を超えても飽和状態となり反応速度はそれ以上速くはなりません。各野菜の光飽和点をまとめています。

※注 50KLX=50000LX

上記を見ると光飽和点が意外に低いと驚かれた方もいらっしゃるかと思いますが、実際には植物は葉が重なり合ったりしているので、上記の光より強い光が必要とされています。

光とLEDライトについて

室内栽培では蛍光灯や植物育成LEDライトを用いて、安定した光を与える事で成長を促す事も出来ます。

育苗期のしっかりした苗を育てる事は、栽培成功への近道ですので、可能であればライトの使用もお勧めです。

植物育成ライト、光の強さ、単位については『2.水耕栽培を始める前に ~ 準備するもの ~以下』をご参照下さい。

光の強さが毒になるというお話しでしたが、いかがでしたでしょうか。

これからが収穫時期の本番ですのでまだまだ目を離せないナス栽培ですが、とても楽しいと思いますので是非皆さんも挑戦なさってください。

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