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育苗の重要性と良い苗の作り方
苗づくりの意義
植物は、手間をかけないでも意外に育ってくれるものも多くあります。
ですが、もし、種まきの時に注意深く水をあげていたら、もし幼苗期に温度を気にしていたら、もし定植の日にちを数日ずらしていたら、もっと大きな苗に育ててあげる事が出来たかもしれません。
苗がどのような成長を遂げるかは、発芽の時からの育苗にかかっています。
特に幼苗期の育成状況はその後に大きく影響してしまう大事な要素です。
老化苗を作らないように、育苗の重要性についてみてみます。
老化苗の防止
⑴老化苗とは
育苗中に何等かの原因で生育不良を起こした苗の事を老化苗と言います。
育苗中、問題があるにもかかわらず、気付かず栽培を続けていると老化苗になる事は珍しくなく、ホームセンターで販売されている苗にも紛れている事があるそうです。
育苗中の生育不良の主要な原因は、日当たりや風通しなどの環境要因の他、水や肥料の過不足などが挙げられ、中でも育苗中の水切れは最も深刻で、その後の育成に大きな影響を与えます。
老化苗は外観で見分ける事が出来ますので、ポイントを押さえそうした物は購入しないようにすることが大事です。
⑵老化苗の特徴
老化苗は生育が止まってしまった状態ですが、そのような苗が花をつける事があり、これが老化苗の典型なのだそうです。
時に直径6㎝のポリ鉢にある小さな苗が花をつけるのは、老化が進行して枯れる前に種子を残す為で、その為に花の期間も早く終わるのだそうです。
また種から栽培する場合には、育苗の目標を明確にしてしっかりとした苗を作るようにしなければなりません。
育苗の重要性と利便性
⑴育苗の目標
何といっても根を丈夫に健全に育てる事が最大の目標と言えます。
根をしっかりと育てるためには、土壌環境の不良は避けなければなりません。
この点、ポットを使用する事で、管理が容易になりますのでお勧めです。
良い根の状態は、白くて、側根までしっかりと土を抱え込み、ポットからあげるととぐろを巻いている状態です。
この様な根の状態にある時は、葉も健全に成長し、光合成を効率よく行う事が出来ます。
育苗の手順と期間
効果的な栽培が出来る為には、いくつかのポイントがあります。
⑴種まきと光反応
- まずは、清潔で保湿力のある土を湿らせてポットに入れ苗床を作ります。
- 一区画に1~3粒の種を入れ土をかけてみずやりをします。※注1
- 土が乾燥しないように(新聞紙をかけるなど)します。
- 温度管理をして発芽させます。
- 定植時期になったら畑やプランターに植え付けます。
※注1:種子の光反応には好光性と嫌光性がありますので、好光性の場合には覆土はしない、もしくはうっすらとかけてあげます。嫌光性の場合はしっかり遮光します。

⑵発芽適温・育成適温と育苗期間
発芽適温 | 代表的な野菜※かっこ内は育苗日数 |
---|---|
15~20℃ | レタス、ホウレンソウ |
15~25℃ | ニンジン |
15~30℃ | キャベツ、ダイコン、カリフラワー |
20~25℃ | ハクサイ、ブロッコリー、カブ |
20~30℃ | トマト(約60日)、ナス(約80日)、ピーマン、ゴボウ |
25~30℃ | キュウリ(約30日)、スイカ(約30日)、メロン、カボチャ(約30日)、エダマメ |
良い苗の基準
育苗期間を過ぎた頃の評価ポイントです。また、苗を購入する際の参考にして下さい。
- 双葉がしっかりと残っている。
- 茎や葉は太く真っ直ぐに伸びている。
- 間接が短く徒長していない。
- 葉の色は濃い緑色をしている。
- 葉に厚みがある。
- 葉が密集している。
- 病害虫の痕跡がない。
トマト・ナスの苗を見る場合
購入の際のポイントは、上記に加えて以下になります。
⑴トマト
- 頂部に蕾か花が付いている。
⑵ナス
- 頂部に蕾か花が付いている。
- 先端の葉は勢いがある。
いかがでしたでしょうか。
春まき野菜はいよいよ本格的な収穫期に入りますが、私はナスとトマトの育苗を上手にしてあげられませんでした。
現在のナスとトマトです。
皆さんは沢山収穫できるといいですね。