挿し木(挿し芽・挿し穂)の方法とは。 ミニトマトは簡単?他は?

スポンサードリンク

初めての挿し木

トマト栽培では『脇芽かき』という作業があります。脇芽に栄養が横流れするのを防ぎ、花や実に栄養を行かせる為の必要な作業の一つです。

その脇芽が挿し木になる事を知りましたので、今回挿し芽にして栽培をしていました。

挿し芽から約36日で花を咲かせていますが、その速さに驚いています。

そこで今回改めて挿し木の手順や注意事項を調べる事に致しました。

自分が行った挿し芽について

4月25日(左上)にスポンジを培地にして水道水に浸し、3~4日後には下の茎から発根が見られました。オレンジ色の物はスポンジです(注1)。右下の写真は5月5日のものです。

5月23日

5月5日以降より水耕栽培用の液肥(ハイポニカ500倍)で栽培を継続し順調に成長が見られ、根の生育も良好でした。

第一花房を確認したのは5月20日前後だったと思います。

  5月31日 第一花房開花 第二花房も6月3日に開花しました。

初めて行った挿し芽ですが面白いように出来るので、5月25日に紫蘇の挿し穂を、また、5月31日には2回目のトマトの挿し木をする事にしました。いずれも3~4日で発根を確認しています。

紫蘇の挿し木(25日開始)と発根らしきもの(左:29日)

31日に発根は一気に成長(右)しています。

中玉トマトの挿し木(5月31日開始)と発根(6月3日)の確認。

今回はスポンジを使用しませんでした(注2)。

※(注1)(注2)については一番最後に記載しています。

今回の挿し木について、前回のミニトマトの挿し芽の時と異なる点は、双方とも最初から水ではなく液肥(ハイポニカ500倍)を使用したと言う事です。

成長への影響などを観察していきますが、改めて本来の挿し木の方法(手順)を見てみましょう。

挿し木の定義と正しい方法

1.挿し木とは

挿し木とは植物を増殖させる技術の一つで、植物の一部を切り取り、それを土(或いは水)に植えて増殖させる方法の事を言います。

一般的に植物の繁殖は実生(種まき)や分球が代表的かと思いますが、挿し木の他株分によっても繁殖・増殖させることが出来ます。

一口に挿し木と言っても切り取る部分でその呼び名は変わります。

トマトによく見られる脇芽を摘んで行うものは『挿し芽』、茎や枝を切り取るのものは『挿し穂』と言い、単に『茎挿し』と言う事もあります。菜や葉を切り取るのは『菜挿し・葉挿し』、根の途中の部分を切りる『根挿し』と言うものまでその言い方は多様で、これらの総称が『挿し木』になります。

2.挿し木のメリットとデメリット

メリット

  • 苗を新たに購入する事なく手軽に増やす事が出来る。
  • 挿し木が成長する事により時期をずらした果実の収穫が出来る。
  • 同じ株の特徴を受け継いだ果実を収穫する事が出来る。

デメリット

  • 種類によりつきやすいものとそうでないものがある。
  • 挿し木に適した時期がある。 ※これは季節と穂木の成長段階も含む
  • 開花が早くなる場合がある。
  • 挿し木から挿し木には出来ない(しない方がよい)。

3.どんな枝でも挿し木は可能なの?

挿し木をするには適した植物があるのでしょうか。

挿し木に向いている植物は意外にも多く、向いていないのはヤシ類位かもしれませんので驚きです。

ですが、これらはただ挿せば良いというものではなく、適した時期に適切な条件で行わなければなりません。

その意味で向いている植物というのは確かにあり、ミニトマト、紫蘇、パキラ、ポトスなど緩い条件でも容易く増やす事が出来る植物は人気があります。

4.挿し木の手順

⑴新梢からとられた枝を使用する。

若すぎず古すぎない枝がが望ましく、具体的には手で折る際にポキッと音がする程度の固さの物を選びます。

⑵木や茎は一定の長さに切る。

挿し穂は枝の先端7~15㎝を切り取ります。下葉は切り捨て葉は3~5枚程度が良いとされています。

切り方は清潔で鋭利な刃物を用いて斜めにカットし先端を整えます。腐る時はこの切り口から始まりますが、特につぶれていたりすると腐りやすくなると言われています。

切断された状態でも植物は葉(気孔)からの水分蒸散を繰り返しています。葉から蒸散される(逃げて行く)水分が、挿し穂の部分から吸収される水分よりも多くなる場合には植物はしおれて行きます。

このような対処として、葉からの蒸散を押さえる為に葉を減らすという方法があります。

⑶切った挿し穂は水の中に一定時間つけておく。

数時間から1日程度は水の中に浸けておきます。

発芽率を高めたい場合には、発根促進剤を用います。『ルートン』『オキシベロン』などの商品名で販売されています。

⑷排水性の良い肥料分のない土に植える。

土壌に3~5㎝程度に穴を開けて水揚げした挿し穂を挿し、その後全体に優しく水やりをします。

挿し木の切り口から菌の侵入やウィルスの感染を防ぐため清潔な土が必要になります。有機物や肥料があると雑菌が繁殖しやすくなるため赤玉土、川砂、パーミキュライトなどが適していますが、専用の土なら安全に栽培できます。

⑸適した気温は20~25℃

挿し木をするのにちょど良い時期は梅雨時と言われていますが、真冬と真夏を避けた時期ならいつでも行う事は出来ます。ただ、9月以降に行ったものは寒さに弱いと言われていますので、出来ればそこは避けるのが無難です。

この挿し木にしても重要なのは発根を促す事であり、発根に適した温度は25℃で最も高まり、それ以上では低下する事が分かっています。

発根率の低下する温度は病害菌が繁殖しやすい温度と言え特に30~35℃で病害菌は活発になります。

その事を踏まえて気温管理は十分に行い病害虫に感染しないように気を付けましょう。

⑹日当たりの良い場所に置いておく。

日あたりの良い場所に置き光合成を促します。これは光合成によって生成された炭水化物を養分にして発根していくからです。

但し、強すぎる光は反って光合成を阻害しますので、時期によっては直射日光をさける必要があります。

⑺水やりは多めにし、用土の乾燥を防ぐ。

多すぎる水やりも注意しなければなりませんが、気を付ける事は発根前後は水を控える、という事です。こうする事で根が水を求めて発達していくからです。

挿し木による発根の仕組み

挿し木に用いられる本体を穂木或いは親木と言い、挿し木にする枝(芽)を挿し穂(芽)と言います。

挿し木はこの穂を切って水に挿しますが、本来植物が水分や栄養を吸収するのは地中にある根からになります。

ですが、挿し穂はこの根が切断された状態にありますので、一見養分などの吸収はできないようにも思えますが、植物には自らの体の傷を癒すという機能が備わっている為、この傷を保護しつつそこから根を発生させて養分の吸収を可能なものにしていきます。

具体的には、切断面では発根を促す植物ホルモン(オーキシン)を分泌し、更に茎の上部から得られる成長ホルモン(これもオーキシン)の作用によって癒傷組織(カルス)を形成します。

そこから一部組織が発達し、まずは傷口から栄養が流出する事を防ぎ、繊維官の分化、根の分化が起こり発根に至ると言う訳です。

挿し木に向いているものと向いていない植物の違いとは

前述のように植物の多くは挿し木が可能ですので、容易に根がでて活着するもの、つまり失敗の少ないものは向いているといえるでしょう。

では、失敗しやすい場合とはどの様な場合か、それは発根が困難である場合です。

発根の仕組みで言ったように発根にはカルスの形成が関係していますが、挿すタイミングを誤ると過度にカルス形成がされ、それによって発根が阻害されます。他にも乾燥に弱い、成長ホルモンの体内活性が低い、発根阻害物質が体内に含まれるといった要因で発根が困難になる場合もあります。

気を付けたいのは、一見挿し木が成功したかのように見えながら実は好ましくない状況がある言う事です。

どのような事かと言うと、挿し穂の芽の活性が高い部位を用いた場合には、発根よりも芽の成長にエネルギーが行く為、発根率が低下して結果的にはうまく活着できないくなってしまうのです。

これを防ぐためには、挿し穂を選ぶタイミングを誤らない用いる部位の選定(芽の成長が始まる前の穂)をする必要があると言う事です。

以上が正式な方法になりますがいかがでしたでしょうか。

トマトや紫蘇では発根までにほんの3~4日しかかかりませんでしたが、植物によっては発根だけでも1か月も時間を要するものがあるそうです。

一般に葉菜類は2~3週間で発根があるそうですから家庭菜園ではハードルは低そうですね。

多くの植物で可能な挿し木は、注意点さえ押さえておけば誰でも簡単に挿し木をする事が出来ますので、これを機に、まだしたことがない方は是非お試し下さい。

※(注1)(注2)について

注1:スポンジを使用している訳は、ペットボトル栽培での便宜上になります。

注2:最近方向を変えていますので今後スポンジは使用しなくなりますが、経緯などご興味あれば、以前の記事をご参照下さい。私の迷走とペットボトル愛が掲載されています。

水耕栽培 トマトの苗を水耕栽培のペットボトル容器に移植しました。

水耕栽培 自作容器の失敗から得た事と、ペットボトル栽培を勧める理由

水耕栽培 なすの成長記録 ~ペットボトル容器が実は最適?根っこから見る栽培の手ごたえ

ブログランキングを見る
ブログランキングに参加しております。 よろしかったらぽちっとお願いします!
家庭菜園ランキング
スポンサーリンク
スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする