家庭菜園で、畑の土壌づくりをする場合によく聞くものの一つに『苦土石灰(くどせっかい)』なるものがあります。この苦土石灰は散布して使用するのですが、これを施すことにより栽培はどのように変わるのでしょうか。
苦土石灰とは
苦土石灰とは、酸性に傾いている土壌を中和して酸度(PH)を弱アルカリ性に戻し植物が育成されやすい土壌環境を整える為の資材になります。
石灰資材の一つで、他にも生石灰、消石灰、有機石灰などがあり特性が異なります。強アルカリ性のものが生石灰・消石灰でアルカリ性のものが苦土石灰・有機石灰になります。
農家の方は土壌の状態を見て使い分けますが、家庭菜園ではアルカリ性の強い消石灰や生石灰より、苦土石灰又は有機石灰が安全で扱い易いものと言われています。
一般に土壌は酸性の傾向にあると言われていますのでアルカリ性の石灰を用いて中和させるのですが、野菜作りに適した土壌の酸度は栽培しようとする野菜の種類によって異なります。

注意する事は、酸性が強いと野菜の根が傷み、根のリン酸吸収が落ち、開花や結実に影響を与えるという事、アルカリが強いとマグネシウムなどミネラル分の吸収が阻害され、発育が悪くなる、病気をしやすくなる、という事です。
苦土石灰の使用法
土壌を中和しアルカリに傾ける石灰ですが、その成分はマグネシウム(苦土)とカルシウム(石灰)です。形状は固形で粒状のもの、粉状のものがあります。
使用量の目安は1㎡当たり100ℊ又は土1㎏当たり1.5ℊを使用します。
使用する上での注意
⑴ 酸度測定器
酸度調整がうまくいかず、効きすぎた場合、つまりアルカリ性になった場合には発育障害が出ますので、事前に家庭用酸度測定器などで計測しておくと良いでしょう。安価な物は1000円以下から1500円程度で購入できます。
⑵ 堆肥・肥料との併用
生石灰や消石灰は化成肥料と併用するとアンモニアを発生させ植物にダメージを与えますが、苦土石灰は堆肥や肥料と同時に散布できるので、安心して使用できます。
⑶ 購入
ホームセンターでは大容量を、百均では600g程度の物なら購入する事も可能です。
⑷ 巻き方・散布の仕方
固形状なので播いて使用しますが、粉上の物は、1gを1ℓの水に溶いてよく混ぜスプレーします。良く混ぜても沈殿物がありますので、上澄みを散布します。
プランターで土を使用する場合には主に培養土になりますので、庭や畑を耕す場合には是非お使い下さいね。