1.水耕栽培って?
水耕栽培を始めたきっかけ
ある日唐突に思い立ちました。「そうだ、野菜を育てよう」と。
理由は、職場に持参するお弁当用に使いたかったからです。
ブロッコリーやミニトマト、レタスなどは彩がきれいなので重宝しますよね。
ただ、私は煮物の野菜は好きなのですが、生野菜は体が冷えるせいか日常の食生活ではほぼ食さないので、お弁当用に買う生野菜は少量でも、結局は腐らせてしまう事もしばしばあり、その度にいつも不経済だな思っていました。
そこで、お弁当用の野菜を自家栽培してみようと思ったわけです。
ただ、これまで何度か室内で観葉植物を育ててみたのですが、まず根腐れをしたり日照不足によって枯れてしまう為うまくいった試しがありません。
なので、植物の栽培は到底無理と諦めていたのですが、今回、ネットで一応野菜の栽培について検索をしていたところ、水耕栽培なるものに当たり、これは是非試してみたいと思い立ったのです。
水耕栽培とは
では、この水耕栽培とはどのようなものなのでしょう。
ネットで検索してみると、水耕栽培とは、土を使わずに液肥で栽培するものであることが分かります。
そして、その利点は ①土を使わない為虫がつかないこと ②液肥だけで育ち、根腐れをせず、根の状態も観察出来る事 ③室内でもLEDを使用して日照と同じ効果を得られること にあります。
そもそも水耕栽培は古くから行われていて、古代アステカやエジプトなどでの記録が残されているそうですが、そのメカニズム解明されるのはもっと後の話になるようです。
現代で行われている水耕栽培は、科学的見地に基づいて、天候に左右されない工場などで栽培される野菜として発達を遂げています。
カイワレ大根やブロッコリーなどのスプラウト野菜(発芽直後のもの)の他、レタスなども店頭でよく見かけるようになりました。
ただ、値段は少々お高めというのが現状の様ですね。
2.水耕栽培と土耕栽培との違い
この様な水耕栽培ですが、思いたったら吉日と7月から始め、現在4カ月ほどになりますが、結論から言いますと、本当に驚くほど野菜君たちはよく育ってくれています。
そこで、これまでは植物の栽培を失敗ばかりしていた自分が、何故上手く育てることが出来るのか、又土耕栽培との比較から、水耕栽培による植物の育成について詳しく調べてみることにしました。
1)土耕栽培について
畑やプランター、鉢植えなど土を使用するのが土耕栽培です。
栽培に使用する土にはいくつか種類があり、腐葉土、培養土などの名称で販売されています。
一般に、植物が生育する為には、水、光、空気、土が重要であるといわれます。
土が重要な理由は、そこに根を張ることで水分や空気、養分の吸収を行い、植物の体が支えられることができるからです。
以下で各項目について簡単にまとめてみました。
① 水
植物の細胞は水で満たされ、不足をすると枯れてしまいます。
また土壌中の養分は水に溶けたものが根から吸い上げられる為、水の存在が重要なわけですね。
➁ 光
言わずと知れた光合成をおこなう為に必要であり、炭水化物を生成します。
➂ 空気
また、植物の成長は光合成によって促進されますが、その際に使用されるのが空気中に存在する二酸化炭素なのです。
④ 土(養分)
植物は数十種類もの元素からなり、その内の16成分が必須元素と言われ、土壌中にも存在します。実際には肥料を用いて土壌づくりをする必要はあるようですが…。
この様な元素で特に重要なのが、先の光合成過程で必要な炭素、酸素、水素の他、葉や茎を育てる窒素、花や実を育てるリン酸、根の成長を促すカリウムなのです。
プランターや植木鉢で育てる場合に根腐れを起こしやすいのは、水のやりすぎによって根が酸欠を起こしてしまうからなのですね。
また、肥料が根に直接触れても肥料焼けを起こしてしまいま す。
今回色々調べる中で、また実際に野菜を栽培してみて、根の健全な発育なく植物の成長はあり得ないということがよく分かりました。
所で、植物が土の中に根を張るのは、単に養分を吸収する為だけではなく、根を成長させる為に土の抵抗を受ける必要があるそうです。
つまり根菜など土の中で育つ野菜ではこの抵抗がある程度なければならないようです。
また後日レポートしますが、この事が、私がスポンジ栽培でラディッシュを失敗する理由なのかもしれません。つまり、実がうまく丸くならないのです。
2)水耕栽培について
こうして土耕栽培について調べてみると、いかに土の存在が重要なのかが分かります。
では、土を用いない水耕栽培の場合、どのように植物は成長していくのでしょうか。
まず葉で行われる光合成は土壌栽培と変わりはないのでこの点は良いでしょう。
次に根で吸収される土壌中の養分についてですが、これが液肥によって代替されているのですね。
そして水耕栽培に用いる最も良く知られている液肥は『ハイポニカ』ではないでしょうか。私を含め多くの方に愛用されているようですね。
これは三大元素の窒素、リン酸、カリウムがバランスよく配合され、使用の際に規定の量の水で希釈して植物に与えます。
この際、決して根をどっぷりと液肥の中に漬けるのではなく、根の上部は空気に触れるように液肥を容器に入れて酸欠になるのを防ぎます。
こうすることで根が良く成長し、白い綺麗な根っこに育つのです。
そして、健康で丈夫な根が育つという事は、株が大きく育つという事なのです。
この、常に根を観察できるといことが、水耕栽培最大の利点ではないでしょうか。
先に説明したように、根の健全な発育なく植物の成長はあり得ず、土壌栽培では素人が根の発育を葉や茎から推測することは、至難の業です。
それが水耕栽培では、一目瞭然で根の状態が把握できるのですから。

ミニトマトとその根です。ペットボトルで栽培をしていますので、手にとるように状態が分かります。
ただ、植物の根がどのように存在するかと言う点ですが、水の中では土壌中のように抵抗を受けることもなければ、幹を支える事もありません。
なので、そもそも水耕栽培それ自体、適した植物と適さない植物とがあるわけですね。
3)水耕栽培に適した野菜
適しているのは、①バジルやミント、ルッコラなどのハーブ類。②リーフレタスや菜っ葉、水菜、三つ葉などの葉物野菜 と言われています。
でも室内にこだわらず、容器を大きくして支柱などを利用すれば、ナスやトマト、白菜など大きな野菜も可能です。
水耕栽培の楽しみの一つには、容器を自己流で作るということも挙げられます。下に記事がありますので是非覗いてみてください。
水耕栽培 なすの成長記録 ~ペットボトル容器が実は最適?根っこから見る栽培の手ごたえ
水耕栽培での害虫対策
最後に、土を使わない水耕栽培では害虫を防ぐことが出来ると言われています。
私はまだ春を迎えていないので、実際に害虫の被害にはあってはいないのですが、実際には室内であっても、水耕栽培でも虫は来るようですね。
ここまで水耕栽培について大まかに説明をしてみましたが、水耕栽培を始める前に準備するものも記事にまとめていますので、そちらの方も是非ご覧ください。